初見プレイをした時、転校してきて間もなく進んでいく殺伐としたストーリーに「これこそがダークファンタジー、ペルソナの醍醐味!」と思い、瞬く間にペルソナ5の世界観に引き込まれてしまいました。
それは、疑うまでもなく「鴨志田のクソっぷり」が大きな要因となっているのですが、良くも悪くも「登場する人物のヒール感」としては、この鴨志田がピークだったなぁと思うわけです。
この先も何人かの悪役が出てきますけど、実際の被害とか、やってることの罪の重さみたいなものは、後半になるに連れて徐々に大きくなっていきます。しかしながら「この野郎!」と思うのは、鴨志田だけのような気がしました。
というわけで、今回はネタバレ全開で『鴨志田 卓のクソっぷりについて』書いていきたいと思います。まだクリアしていない方は、ブラウザバック推奨です。
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Contents
やり手の教師・鴨志田 卓
初登場
初登場は四茶に越してきた次の日に学校に行ったとき、担任の川上と会話しているシーンでした。この段階では「ちょっとクセのありそうな体育教師」くらいのイメージだったんですよね。
もしくは「川上にイイ恰好したいキャラなのかな~」とか。少なくとも良心的なキャラだとは思いませんでした。あることないことで主人公に言い寄ってくるイメージって言うんでしょうか。
初対面の印象は・・・
初めて会ったのが雨宿りしていたときで、颯爽と現れて杏を車に乗っけてったんですけど、同じく雨宿りをしていた主人公を乗せることはなく、ただ「君もか?」みたいな感じで声を掛けて、アッサリ消えていったのを覚えています。何人かのプレイヤーは「こっちも乗せていかんかい!」と思ったことでしょう。
私としては、惣治郎も「助手席に男は乗せない」みたいなこと言ってましたし「単純に杏と知り合いだったから乗せたってことにしておけば別にねぇ・・・」とも思うわけです。先生だからって生徒全員を面倒見なきゃいけないわけじゃないですし、そこはまぁ良しとしましょう。
ただ「主人公が笑顔で手を挙げて喋った」っていう部分に違和感を感じて、そっちに意識がいってしまっただけって説もあります。とりあえず「いけ好かない奴」っていう掴みはOKですね。
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バレー部顧問で元メダリスト
一応、実績はあるみたいです。シゴキだなんだと言っても、弱かったバレー部を強くしたんであれば、それなりのモノは持っているんでしょう。というか、男子バレー部も女子バレー部も受け持っていたってことなんですかね?
でも、スマホでチャットをするような御時世でしょ?一昔前なら、多少のシゴキみたいなもんは当たり前だったような気もしなくもないですが、今は軽く叩いただけでも大問題になりそうな気がします。
全国行ってるって言っても、甲子園行ってたって不祥事でどうこうって話が幾らでもあるわけですから、なんとなく強引すぎるような気も・・・。でも、優等生は恐怖で支配しつつ、竜司みたいな奴は「表の顔で支配する」といったところでしょうか。
意外と人望はあった!?
一般女子生徒
バレー部はともかく、一般の女子生徒からの人望はあったみたいです。『鴨志田ファン』っていうのが一定数いるみたいですよ。その鴨志田と噂になっている杏というのも、なんか「杏の垢抜けてる感」みたいなものを上手く表現していますね。
私は男子校だったので、女生徒から人気がある先生ってのが珍しいのかそうでないのかはわかりませんが、ある程度の「表の顔」で騙せていたのは、教職員たちだけでは無さそうです。
サイン貰いに押しかけるって相当でしょ。
ちなみに、鴨志田の話題がTVで取り上げられた後は、女子生徒からこんな声が上がっています。
えぇーっ!!!改心したときに洗いざらい喋ってねーじゃん!志帆と杏に対しては名指しで謝罪していたものの、この生徒に対して改心してなくないですか?鴨志田に罪の意識がない、もしくはこの生徒が愉快犯。
どちらにしても、かたやサインを欲しがるほどのファンがいて、かたや接するのを我慢している人間もいるって、なんだかすごいですね。
一般男子生徒
なんとなくコッチは、誤魔化しきれてないというか「普通の生徒と教師の関係」みたいな感じだと思いました。鴨志田どうこうよりも、結局「俺でも高巻イケんじゃね?」的な。「先公なんかより女の方が良くね?」的な。
鴨志田はメダルも獲ってるバリバリの体育会系ですし、普通の高校生だったら「怖い」と思うような体育教師なんでしょう。私の学生時代でも、体育の先生って怖かったですもんね。
しかもこの体格差・・・。竜司の身長がいくつなのか知らないですけど、勝手に小さくはないと思ってるんで、対比的にも鴨志田デカすぎ。まぁバレーボールで活躍しまくってるくらいですから、デカいことは間違いないでしょう。
気になるポイント
上記画像は「予告状を出したとき」なんですけど、冷静さを欠いているとはいえ、言葉遣いが汚すぎです。しかも、その場にいた全員に向かって当たり散らしたせいで、みんなその場を去っていきました。
勝手な想像ですけど、女子生徒が教師にあこがれるパターンって、同世代の男からは感じられない大人の余裕みたいなもんに惹かれるんじゃないんですかね。きっとこれ、竜司以上に大きい声で暴れてますよ。
もしかして経済的な話なんでしょうか。元メダリストでガッポガッポとか?それに目を付けた女子生徒がいるとか?・・・ってことは。
あー、保証人的なやつね。
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二言目には「退学」
大人向けのDVDとかで「単位欲しさにどうのこうの・・・」ってのは見たことあるような気もしますけど、ここまで退学させようと必死な教師ってのも凄いです。
理事会で一声上げるだけで一生徒を退学にできるんですから、鴨志田が持つ権力って相当なものだったんでしょう。
そして、明るいうちから「校長」って呼び捨てですからね。決してガラのいい教師とは言い難い部分があります。スクショ探しても見つけられなかったんですけど、いつだか玄関あたりで「校長先生が仰ってたんじゃないのか?」みたいなことを言ってきたときありませんでしたっけ?
今思えば、学生時代に「先生のことを呼び捨てにする先生」って見たことなかったなぁ。きっと裏では呼び捨てで呼んでたんでしょうけど、生徒には見えないように上手くやってたんでしょう。そういう点を考えると、鴨志田は粗削りな気がしました。
鴨志田先生!廊下で話すことじゃないですよ!めっちゃ本人に見られてますよ!
竜司との確執
ちょっと詳しくわかりませんでしたけど、とりあえず「鴨志田が竜司の足を片方だけどうにかしたらしい」的な描写です。指導という名目で好き勝手やり、挙句の果てに親についての暴言を吐いてきた鴨志田に、堪えられなくなった竜司が殴りかかった的な話ですよね?(それで陸上部が廃部って世界観、冷静に考えるとすごいな)
それが、あの体格差ですから。返り討ちにあって、それが正当防衛として処理されたってことなんでしょう。というか、足をどうされたんでしょうね。骨を折られたってこと?
陸上選手って骨が折れたら一発アウトなんでしょうか。竜司はまだ2年生ですし、終わりってことはないと思うんですけど。実際、結構走れてるようにも見えましたし。
この走り方は「自分が速い」と自覚してないとできないやつです。(カラオケのマイクの持ち方にも「自分の歌が上手いと思ってないとできない持ち方」ってのがあります)
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バレー部に対する悪行三昧
水を飲ませない
私くらいの年代の人間であれば、部活動中の水は「バテるから飲むな!」と言われてきたので、水筒を持って登校している小学生の姿なんかを見たりすると、逆に「時代も変わったなぁ」と思うくらい、運動中に水を飲ませないということに対しては、何も思いませんでした。
まぁ昔は一般論が「水を飲む=バテる」だったのに対し、今では「適度な水分補給=必要」とされている上でのこの行動でしょうから、やっぱりシゴキというか「単なる意地悪」みたいな気もしますね。
人間サンドバック
逆さに吊るした部員に対してバレーボールをぶつけています。小爆発が起こるほどの衝撃です。
実際に球技大会でしたっけ?学校でやってたバレーボール大会でも、三島にスパイクをお見舞いして、誰かに保健室に連れて行かせただけで、普通に続きを始めましたからね。高校生相手にガチでやっちゃう教師に、なぜ女子生徒から人気があるのか・・・。
殴る
三島曰く、ストレートに「殴る」みたいです。そして、三島の顔を見てもわかるように、おそらく「バレないような配慮」はしているように思えます。腹を殴るとか、足を殴るとか。
しかし一方で「そんなの関係ねぇ!」と言わんばかりにやられている人もいるんですよね。例えば、杏の親友の志帆なんかは、あるときから目の上にアザを作ってます。
年頃の女の子がこんな状態になったら、いくら部活動とはいえ、親も心配するんじゃないでしょうか。もしかしたら、それを隠すための前髪なのかもしれません。バレー部で髪の長い選手って、あまり見ませんもんね。
そして、極めつけはコチラです。
・・・左手挙げてオーバーリアクションでダベってる場合じゃないから。ここだけ見たら完全に「囚人3番」です。
というか、たぶん包帯取ったら右目が写輪眼になってると思います、はい。
志帆の自殺未遂
屋上から
今後に出てくる悪役と決定的に違う要素が、実際に人が死にかける描写があるという点です。ここは、鴨志田に対して持つ印象に大きな影響を与えたと言っても過言ではありません。
例えば、斑目編でも「盗作された弟子が自殺している」というエピソードが語られますが、実際に見えてこないという部分に大きな違いがあると思うんですよね。そんなこと言ったら金城からの圧力ではもっと多くの人が死んでるでしょうし、奥村が潰した人間はもっと多いでしょうし。
獅童に至っては、主人公を無実の罪で保護観察処分にしてますからね。まぁ獅童に関しては、ビュッフェで会ったり、四茶の駅に演説を見に行ったときに暴言を吐いて煽ってきたりする場面があるので、なかなかいいキャラしてたと思いますけど。
色欲!?
志帆が自殺未遂をするに至るまでに、具体的にはどのような嫌がらせを受けていたのか。三島情報によると「日替わりで殴られていた」ということは明らかになってますね。ただし、その詳しい部分については、大人の事情からなのか本作では言及されていません。
一応パレスには「写真が大量に貼られている隠し部屋」がありましたけど、どんな写真だったんでしょうね。雰囲気的にも、普通の写真ではないような感じもしますけど、その辺を具体的に演出してしまうとアニメ化的な不都合があるんじゃないかと。
ちなみに、シャドウ鴨志田は「杏が相手にしてくれないから、代わりしてもらった」と言っています。なんとなくですけど、ここまで言われたら「こうなんじゃないかなー」という予想はできますけど、いまいちハッキリしませんよね。
なんて言うんでしょう。「Hになればなるほど固くなるものって、なぁーんだ?」って聞かれて、顔を真っ赤にしながら「言えなぁーい!」とか言ってたら、冷めた顔で「鉛筆だけど」って言われるみたいな感じって言うのが近いかな。
ちなみに杏の件についてですが・・・。
つまり・・・そういうことだそうです。
最後に
私は4周目でこの記事を書きましたが、ペルソナ5の出来は素晴らしいと思います。やっぱ最初のシナリオって重要だと思うんですよ。そういう意味でも、鴨志田はめちゃくちゃイイ働きをしたと言ってもいいのではないでしょうか。
あくまでゲームなので、他にやることが一杯あったのにも関わらず、これだけのインパクトですから。たぶん、アニメとかで出てきたとしたら、相当なレベルになっていることでしょう。
正直、最後までプレイしてみて、この鴨志田のクソっぷりを超える人材が出てこなかった点については残念でしたけど、それを差し引いてもペルソナ5は面白いゲームだと思います。
鴨志田卓・・・最低だけど最高です。